【憲法記念日】
他国は柔軟に改正 日本国憲法は「世界最古」に
2013.5.3 21:06 [憲法・法律]
 
 日本国憲法は改正が極めて困難な憲法といわれるが、世界の憲法改正動向を見ると、諸外国は状況に応じて柔軟に憲法改正を図っている。一度も改正が図られていない日本国憲法は内外の諸困難に対応できないまま未改正の成文憲法では世界最古の法典となっており、今や世界から取り残されつつある。
 諸外国の憲法改正状況を見てみよう。西修駒沢大学名誉教授の昨年11月末時点でのまとめでは、1787年に制定された米国合衆国憲法は1992年5月までに18回改正し、この間27カ条を追補した。ベルギーも1996年3月から2008年12月までに24回改正。ルクセンブルクは09年3月までに34回、ドイツは09年7月までに57回、フランスも08年7月までに24回といった具合だ。
 西教授は「世界の趨勢(すうせい)は、憲法を状況に応じて柔軟かつ頻繁に改正を図っている」と指摘する。日本国憲法は世界の成文憲法を保有する188カ国で古い方から14番目で、改正されていない成文憲法のなかでは「世界最古の法典」となっている。
 改正を阻む最大の理由は、現行憲法96条に衆参両院で総議員の3分の2以上の賛成がなければ改正の発議すらできないことだ。世論調査では憲法改正を支持する国民は半数を超えている。ところが、国会の一院でわずか3分の1を超える反対があれば頓挫し、“門前払い”となってしまう。
 憲法改正の際には国民投票が必要であると憲法条文にうたわれているにもかかわらず、具体的な国民投票について定めた法律ができたのは平成19年になってからだ。
 「憲法が主権者である国民のものになっていないのです。そもそも、この条項は日本の無力化を企図したGHQ(連合国軍総司令部)が改正をより困難にしようという意図でわざわざ厳し過ぎる条件を課した。このことを国民は主権者として深刻に考える必要がある」と話すのは、日本大学の百地章教授だ。
 「憲法とは状況に応じ、改正を重ねながら国民と国家を守る統治のルールなのだから、不都合があれば当たり前に変えるべきで、少なくとも世界はそう考えている」と語る。さらに「中国や北朝鮮の脅威が増し、東日本大震災など国家の危機に現行憲法が対処できないことが明白なのに、現行憲法を不可侵の不磨の大典として指一本触れてはいけないかのようになっているのはおかしなことだ」と訴える。(安藤慶太)
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 日本国憲法96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。